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人間関係のトラブル、現場スタッフをコントロールできないのは誰の責任?

  • 2022.10.12
  • トレンド

このコンテンツでは、保険を扱う職業柄、幅広い業界や経営者とのつながりのある吉田が、その主観的視点から経営に役立つ情報や経済を解説します。

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社長が一人の会社でない限り、人間関係の問題は避けて通れません。

ただ厄介なのは、人間関係は「相性の問題」と割り切れるような軽いものではなく、モチベーションのダウンや退職につながる大きな問題であること。

できればスムーズに解決したいものです。

そこで今回はとある会社の人間関係トラブルをもとに、組織のあるべき姿について考えてみました。

役員の妻であるパートスタッフが管理者の仕事に口出し

先日ある企業で一事業の責任者を務める方から、「人間関係のトラブルで管理者が退職しそうになっているが、事情が複雑で解決しづらい」と相談を受けました。

そこはメイン事業の次に立ち上げられた新しい事業部で、相談者は部長を務めています。

人手不足の際にピンチヒッターとして会社役員の妻をパートとして迎え入れたものの、管理者の仕事のやり方などに口出しするようになり、非常に扱いづらいそう。

逐一ダメ出しをされることに管理者は嫌気が差し、退職の意向を伝えてきたといいます。

資格が必要な管理の仕事を任せられる人は少なく、部長はなんとか引き止めたい様子。

パート妻の夫である役員に相談したいけれど、妻から現場の様子を聞き「管理者にはもっとしっかりしてもらいたい」といった発言もあったといいます。

恐らく妻の味方をするであろう役員に相談しても、解決の糸口は見えそうにないとのこと。

私はこの話を聞いて、解決方法と原因の見極め方について2つのことを考えました。

解決方法は管理者を2名にすること

まず部長が望むように管理者を辞めさせず、役員の妻ともトラブルを起こさないようにこの問題を解決するには、役員の妻を2人目の管理者にしてしまうのが最も早い方法でしょう。

現時点でトラブルメーカーである(と考えられている)役員の妻を辞めさせることができないのであれば、彼女の言い分が正しいかどうかを実際に検証してみるのがわかりやすい方法。

いい悪いではなく、役員の妻が主張する仕事のやり方をひとつの案として採択し、彼女に管理者を務めてもらうのです。

現状他のスタッフも彼女には手を焼いているといいますが、チームをまとめるのも管理者の仕事のひとつ。

自分のやり方を主張するのであれば、必要なメンバーを集める力が必要です。

意見を尊重して相応のポジションを与えるのですから、役員にもその妻にも異論はないでしょう。

もし彼女のやり方が成功すれば会社にとって良い結果となり、事業部は新しいやりい方を構築できることに。

失敗しても今の管理者が率いるチームは現状のまま機能しているわけですから、事業部が立ち行かなくなることもありません。

現在の管理者にはストレスを取り除いた状態で「負けないようにしっかりがんばってほしい」と声をかけ、育成のチャンスにできるといいですね。

根本的な原因は、十分な売り上げを出せていないこと

目先の解決方法についてお話ししてきましたが、私はこの問題の根本的な原因は売り上げが十分でないことにあると考えています。

実際にどれほどの売上があるのかは不明ですが、もしこの事業部に十分な売り上げがあれば、「資金的な余裕はあるけれど、現場が忙しくて人的な余裕がない」状態になり、人材を補填していたはずです。

ただそれをせずに手っ取り早く役員の妻を迎え入れたのは、十分な売り上げを出して早めに人を採用することができていなかったから。

売上が出せていなかったのは仕事が確保できなかったからですし、忙しいのは組織がうまく構築できていないから。

トラブルの原因を作ったのは、「仕事を作り組織を管理する」べき立場である部長が事業部に必要な仕事量を確保し、それを回すための組織が構築できなかったことが原因なのです。

トラブルが現場のスタッフの間で起きているように見えても、根本的な原因はもっと上流にある場合は少なくありません。

管理者の悩みの原因は、日々顔を合わせるパートの役員妻ではなく、根本的な問題が解決できない部長にあると言えるでしょう。

部長が本来持つべき視野は

相談者である部長は優しい人で、管理者の負担をどうにか軽減できないかと考えていました。

スタッフも親身になってトラブルに向き合ってくれる部長には信頼を寄せている様子。

この組織は一見、良い関係性を構築できているように見えます。

ただ部長が本当にスタッフ思いの優しい人であるならば、パートスタッフをうまくコントロールできるように管理者を育て、さらには深刻な人材不足が原因であるトラブルを招かないよう、先手必勝の対策ができていたはずです。

例えば部長自ら営業に出向き、仕事を確保して売り上げを上げる。

さらにその売り上げによって得た利益で採用活動を行い、増えた仕事を補える人材を確保する。

「スタッフ思い」とはその場その場で気持ちに寄り添うことではなく、自分のポジションに求められる成果を出し、部下たちを守ること。

メイン事業ではない以上、立ち行かなくなれば早めの撤退は十分あり得ます。

雇用を確保するためにも部長はもう少し、経営側に近い視点が必要だろうと思います。

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